「賞味期限には気をつけているし、おかしなものは食べていないのに、急に激しい腹痛に襲われた…」という経験は誰にでもあるはずです。もしかしたら、その原因は再冷凍されたアイスかもしれません。実は、ここ数年、溶けたアイスを再冷凍させたことが原因で起こる食中毒が全国で多発しています。
「アイスを食べようと思って出していたけど、ゲームをしたり、テレビを見たりしているうちにすっかり食べるのを忘れていた。でも、冷凍庫に入れてまた凍らせておけばいいや…」そんな経験はありませんか?実は、これこそ危険な行為だったのです。
アイスは放置しておくと傷みます。通常−18℃以下で保存されるアイスは、微生物が繁殖しにくく、品質がほとんど劣化しません。そのため、アイスには賞味期限表示義務がありません。
ところが、一定時間放置しドロドロに溶けたアイスには、もともとアイスに存在していたウイルスや微量の細菌が増殖するのです。これが食中毒の原因になります。
基本的に、缶詰やレトルト食品を除くと、食べ物のほとんどには必ず細菌がいます。蓋をあけていない食品も例外ではありません。アイスには牛乳や卵が入っているので、黄色ブドウ球菌という食中毒菌が入っている可能性があります。黄色ブドウ球菌は、人間の口の中や手のひらなどに存在している常在菌のため、数が少なければ無害ですが、常温に放置すると100万個以上に増殖します。
しかも、この菌は冷凍しても死滅しません。ひどくなると腹痛だけではなく、下痢や嘔吐などの症状が出るので注意しましょう。